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保証金は何のためにある?

韓国の賃貸契約で必ず必要な保証金。
どんなもので何のために必要なのかしっかり確認しましょう!

保証金って何?

韓国でお部屋を契約するとき、保証金・家賃・管理費・光熱費の3つが必要になります。
家賃・管理費・光熱費は日本の賃貸契約と同じものです。

保証金とは日本の賃貸契約で言う敷金のようなもので、契約期間中オーナーに預けておくお金になります。
入居時に一括で支払い(仮契約時は一部先払い)、退去時に返金されます。

保証金は契約の延長に関わらず一定で(一部例外あり)、契約延長時に追加で支払う必要はありません。
例えば保証金500万ウォンの物件を1年契約し、満了後さらに1年契約を延長した場合は追加で支払う保証金はなく、延長した契約期間の満了時に500万ウォンが返金されます。

 

保証金っていくら?

ソウルの保証金の相場は500万ウォンか1000万ウォンとなっています。
実はこの金額には理由があり、契約期間分の家賃をほぼカバーできる金額となっているのです。

家賃×契約期間≒保証金

そのため家賃50万ウォン以下の物件を1年契約した場合(50×12=600)では保証金500万ウォンか1000万ウォンとなりますが、どちらになるかはオーナー次第です。

家賃が70万ウォンを越える(70×12=840)と保証金500万ウォンで契約できる物件は少なくなります。

 

保証金は何のために必要?

保証金はただ預けておくだけのお金ではなく、以下の役割があります。

家賃を支払えることの証明

保証金が契約期間分の家賃の総額とほぼ同じ金額であることからわかるように、保証金には契約期間中の家賃を支払えることを証明する役割が大きくなっています。

韓国の賃貸契約には基本的に審査がありません。オーナーの提示する条件に合い、お金さえ支払えばほとんど誰でも契約ができます。
そのため「賃借人は契約しても大丈夫な人物か」を判断するには、保証金を支払えるかどうかが大きな基準になります。
保証金=信用なのです。

これは韓国人・外国人の区別なく、賃貸契約をする人全てに当てはまります。

家具家電・室内施設の破損時の修理費

もしお部屋のオプション品である家具家電を壊してしまったり、室内での喫煙・ペットの飼育(契約違反)をした場合は全て元の状態に戻さなくてはなりません。
賃借人から故障の申告がなく、退去時に故障が発覚した場合には保証金から修理費等が全て差し引かれます。

このように賃借人が壊したことが明らかであるにも関わらず、修理費が支払われなかった場合を保証するためのお金としても使われます。

家賃・管理費・光熱費の未払い分清算

退去時に家賃・管理費・光熱費等の未払い分があれば全て保証金から清算されます。
また光熱費は基本的に使用分を後払いとなっているため、退室時に保証金から差し引かれることがほとんどです。

そのため保証金は全額返金されるお金ですが、500万ウォンを支払っても500万ウォンで返ってくることはほとんどなく、多少少なくなって返ってきます。

 

保証金はちゃんと返金される?

高額な保証金をかけて、本当に返ってくるのか心配ですよね。
基本的にはちゃんと返ってくるお金です。

しかし以下の場合には返金されなかったり、返金されても大幅に減って返ってくる可能性がありますのでご注意ください。

・不動産を通さずにオーナーと直接契約した(法的契約書を作成していない)

保証金を受け取れなかった方の中で一番多いのがこの”不動産を通さずに契約した”事例です。

直接オーナーと連絡をとり、契約書を作成せずに契約、契約書を作成しても内容が不十分であったりして退室時に保証金を返してもらえないことがあります。
この場合は仲介する不動産もおらず、契約や保証金支払いの事実確認も取れないため、後々保証金を受け取るのは難しくなっています。

 

・入居者同士で契約書を譲渡した(掲示板注意)

最近増えているのが”入居者間で契約書を譲渡”する事例です。
SNSやネットの掲示板等で「契約途中で退室するので次に住んでくれる人・代わりに住んでくれる人を探している」という書き込みを見たことがある人もいると思います。

オーナーの了承を得ず、「残りの契約期間分だけ代わりに住む=契約書の譲渡」は契約違反です。
発覚した場合には即時契約破棄や、強制退去となる場合もあります。
オーナーの了承を得ていたとしても、保証金や家賃の支払い方法を間違えれば、退室時に保証金を受け取れない可能性もあります。

賃借人の途中退室で次の入居者を決める際は、基本的には新規契約を行い、新しく契約書を作成することになります。
そのためネット上で賃借人と直接やり取りし、契約書だけを受け取って入居するのは大変危険な行為です。

 

・契約期間を守らなかった(家賃が差し引かれる)

契約書に記載されている契約期間の途中で退室する場合、次の入居者が決まらなければ、実際に住まなかった期間の家賃と管理費も負担しなければいけません。

途中退室の場合は次の入居者が入居する日に保証金が返金されるため、その日までの未払い分の家賃と管理費は差し引かれて返金されます。
この点をよく理解しないまま途中退室してしまい、空室期間が長くなってしまうと、差し引かれる家賃の額が大きくなってしまい、本来の金額から大幅に減って、もしくはほぼない状態で返金となってしまうのです。

 

保証金はいつ返金される?

保証金は退室時に返金されます。
厳密に言えば荷物を全て出し、退室した後です。

退室時にはオーナーや管理人、不動産と一緒にお部屋の状態の確認をします。
その際に施設内の故障や不備が確認されれば必要な修理費等を計算します。
また退室時までに使用した分の水光熱費を確認、家賃・光熱費・管理費等の未払いがないかも確認し、支払わなければいけない金額を全て計算します。
入居者が全て荷物を出し、オーナーに契約書と鍵を返還(パスワードの変更)をしてから、計上金額を引いて保証金が返金されます。

まだ入居者の荷物がある状態、退室する前に保証金が返金されることはありません。

もしもの場合に備えてできること

以上でお伝えしたように、家賃や管理費、光熱費等の滞納や契約違反がなければ、保証金は必ず返ってくるお金です。
それでもやっぱり海外で大きなお金を預けるのは不安・・・という方には転入届を出し확정일자(確定日付)を受け取ることをおすすめいたします。

転入届を出し확정일자(確定日付)を受け取ると、保証金が返金されず訴訟を起こした場合や、契約した物件が競売にかけられたりした場合に優先的に保証金を受け取れるようになります。
そのような状況はあまり多くありませんが、もしもの状況に備えるにはこの方法が一番簡単で安全です。

手続きは全て管轄の住民センターにて行います。
家の契約書(原本)と身分証明書を持参し、契約書に확정일자(確定日付)の印を押してもらいます。

お住いの地域を管轄する住民センターを確認するには以下のページをご参考ください。
お住まいのエリアを管轄する出入国管理事務所と住民センターの探し方

ちなみにこの転入届と확정일자(確定日付)は年末調整でも必要になるので、韓国でお仕事をされる方は受け取っておくと便利です。

 

保証金に関しては弊社でも不安の声を多く聞きますが、しっかりとルールを守っていれば問題が起きることはありません。
弊社でも以前オーナーの勘違いで保証金の返金を受け取れなかったお客様がおられましたが、退室後も弊社が対応し、無事に保証金を受け取ることができました。
おうちコリアでは必ず公認仲介士(不動産)を通してのご契約をお手伝いしておりますので、安心してお任せください😊